シリーズ3◆中島遺跡の縄文土器
中島遺跡は、水沢真城字西大深沢地内(水沢農業高校付近)に立地します。発掘調査は、昭和38(1963)年に行われ、炉の跡が検出された他に、大清水上遺跡と同じ縄文時代前期の大木式土器が出土しています。縄文土器は、大木式と呼ばれる土器群で、主に東北地方南部を中心として北は盛岡市までをその分布圏とします。また、遺跡からは円筒上層式(中期前半)の土器も出土しています。円筒上層式は円筒状の深鉢型土器で、円筒式土器と呼称され、北海道南部から東北地方北部を分布圏とします。
この時期の東北地方は、北の円筒式文化圏と南の大木式文化圏が分布し、ちょうど二つの土器文化が重なる岩手県内でも、中島遺跡のような北の文化が影響を受けた土器がみられます。