シリーズ1◆下嵐江Ⅰ・Ⅱ遺跡の陶磁器
かつて、仙北街道を西の山間部へ進んだ地に下嵐江(おろせ)の集落がありました。下嵐江には、『風土記御用書出』(安永風土記、安永5年)によると18軒の屋敷があったとされ、秋田領へ通じることから御番所(関所)も設置されていました。下嵐江の集落は、交通路・輸送路の宿駅として重要視され、伝馬継立の馬宿、荷宿などの宿場町があったとされます。山中は険しいことから、背負子で物資を運んだとされます。
平成19~21(2007~2009)年に行われた胆沢ダム建設工事に伴う発掘調査(下嵐江Ⅰ・Ⅱ遺跡)では、集落の遺構・遺物が見つかりました。江戸時代の掘立柱建物跡30棟や、16世紀半から近現代に至る陶磁器が見つかり、古い時代から人びとが暮らしていた痕跡がわかりました。