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シリーズ3◆鎮守府胆沢城と「俘饗」

厨の井戸
 城柵の重要な機能の1つに、蝦夷に対する賜饗賜禄である「饗給」がありました。鎮守府胆沢城では「俘饗」という形で実施されていたことが文献資料にみえます。胆沢城跡からは、そんな「俘饗」との関係が想定される遺構・遺物が見つかっています。
 胆沢城政庁の南東に、胆沢城での給食業務を担った厨地区があります。厨とは食事を調理するところで、胆沢城内からは、「厨」と記された墨書土器が複数発見されています。厨地区の井戸の中からは、まな板や箸など、調理が行われた場所としてふさわしい遺物が出土しており、また、イノシシやシカといった動物の骨も見つかっていますが、文献資料からは、鎮守府胆沢城での「俘饗」の際に肉が振舞われたことがうかがえます。
 厨地区の北側には東方官衙地区が広がりますが、9世紀後半から、格式高い廂付きの建物が次々と出現し始めます。さらに、当時の高級品である陶磁器のお皿も大量に出土するため、「俘饗」はここで行われたのではないかと想定されています。
「厨」墨書須恵器坏
■常設展示室観覧のご案内■
開館時間 9:00~16:30
     (最終入館16:00)
観覧料 個人 300円
    小・中・高校生 無料
    (団体15人以上は半額料金)
休館日 毎週火曜日・年末年始
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